「自分がどの体質タイプなのか知りたい」「でも漢方外来に行くのはハードルが高い」と感じている方も多いのではないでしょうか。
プロの診断にはかないませんが、セルフチェックである程度の体質タイプは把握できます。体質別の漢方の選び方は以下の記事で詳しく解説しています。

自分の傾向を知るだけでも漢方選びの参考になります。
この記事では、簡単にできる体質診断チェックリストをご用意しました。ゆっくり自分の体と向き合いながら、チェックしてみてください。
漢方の5つの体質タイプ
漢方では体を構成する「気・血・水」のバランスの崩れ方によって、大きく5つの体質タイプに分けます。
- 気虚(ききょ):エネルギー不足
- 血虚(けっきょ):血が不足
- 気滞(きたい):エネルギーが滞る
- 瘀血(おけつ):血の巡りが悪い
- 水滞(すいたい):水分が溜まる
ほとんどの方は複数のタイプが重なっています。「一番当てはまるもの」と「二番目に当てはまるもの」の2つを意識してみてください。


体質タイプ別チェックリスト
各タイプごとにいくつ当てはまるか数えてみてください。当てはまる数が多いタイプがあなたの主な体質です。
【気虚チェック】エネルギー不足タイプ
- 疲れやすい、すぐ疲れる
- 朝起きるのがつらい
- 風邪をひきやすい
- 声が小さい、話すと疲れる
- 食欲がない、少食
- 胃もたれしやすい
- 汗をかきやすい
- 息切れしやすい
- 下痢しやすい
- やる気が出ない
5個以上当てはまったら気虚タイプの可能性が高いです。代表的な漢方は補中益気湯や六君子湯です。詳しくは以下の記事をご覧ください。



【血虚チェック】血が足りないタイプ
- 顔色が青白い、血色が悪い
- めまい、立ちくらみが多い
- 肌がカサカサ、乾燥しやすい
- 髪がパサパサ、抜け毛が気になる
- 爪が割れやすい、薄い
- 眠りが浅い、夢をよく見る
- 目がかすむ、疲れやすい
- 生理量が少ない(女性)
- 手足がしびれることがある
- 物忘れが多い
5個以上当てはまったら血虚タイプの可能性が高いです。当帰芍薬散や四物湯が代表的です。養生方法は以下の記事で紹介しています。



【気滞チェック】エネルギーが滞るタイプ
- イライラしやすい、怒りっぽい
- ストレスを感じやすい
- お腹が張る、ガスが溜まる
- のどに何か詰まった感じがする
- ため息が多い
- 気分の浮き沈みが激しい
- 生理前にイライラや胸の張りがひどい(女性)
- 頭痛がよくある
- 胸や脇腹が張る感じがある
- ゲップやおならが多い
5個以上当てはまったら気滞タイプの可能性が高いです。加味逍遙散や半夏厚朴湯が定番です。以下の記事もあわせてどうぞ。





【瘀血チェック】血の巡りが悪いタイプ
- 肩こりがひどい
- 頭痛持ち
- シミ、クマ、くすみが気になる
- 唇や歯茎の色が暗い・紫っぽい
- あざができやすい
- 生理痛がひどい(女性)
- 経血にレバー状の塊が混じる(女性)
- 手足の末端が冷える
- 静脈瘤がある
- 刺すような痛みがある
5個以上当てはまったら瘀血タイプの可能性が高いです。桂枝茯苓丸が代表格です。
【水滞チェック】水分が溜まるタイプ
- むくみやすい(特に夕方の足)
- 体が重だるい
- めまい、ふらつきがある
- 天気が悪いと体調が崩れる
- 胃がちゃぽちゃぽする
- 鼻水、痰が多い
- 下痢しやすい
- 頭が重い感じがする
- 耳鳴りがある
- 関節が痛む(特に雨の日)
5個以上当てはまったら水滞タイプの可能性が高いです。五苓散が代表的です。
舌チェックでさらに精度アップ
チェックリストに加えて、舌の状態を見ることで体質判断の精度が上がります。朝起きてすぐ、食事前に鏡で舌をチェックしてみてください。
舌の色
- ピンクで適度な赤み→健康な状態
- 色が薄い、白っぽい→気虚・血虚の傾向
- 赤みが強い→熱がこもっている傾向
- 紫っぽい、暗い→瘀血の傾向
舌の苔(コケ)
- うっすら白い苔→正常
- 苔が厚い・ベタベタ→水滞の傾向
- 黄色い苔→体に熱がある傾向
- 苔がほとんどない→血虚の傾向
舌の形
- 歯形がついている→気虚・水滞の傾向
- 腫れぼったい→水滞の傾向
- 細い・薄い→血虚の傾向
セルフチェックの結果をどう活かす?
複数タイプに当てはまった場合
ほとんどの方は2〜3タイプに該当します。最も当てはまる数が多いタイプを主体質として捉えましょう。たとえば気虚7個+水滞6個なら「気虚+水滞」の複合タイプです。
セルフチェックの限界を知っておこう
セルフチェックはあくまで参考程度です。正確な体質判断には脈診や腹診、問診の情報を総合して行う必要があります。
参考:日本東洋医学会
参考:クラシエ 漢方セラピー(体質チェックあり)(www.kracie.co.jp・サイト終了)
セルフチェックの結果を持って漢方外来や薬局に行くと、相談がスムーズになります。自分の傾向を把握しておくだけでも大きな一歩です。


体質診断でよくある失敗パターン
1. セルフチェックの結果だけで漢方を購入してしまう
セルフチェックで「気虚タイプ」と出たからと言って、すぐに補中益気湯を買いに行くのは早計です。セルフチェックはあくまで目安であり、正確な体質診断ではありません。複数のタイプが重なっている場合や、季節や体調によって結果が変わることもあります。セルフチェックの結果は「漢方外来での相談材料」として活用し、最終的な漢方選びは専門家に任せるのが安全です。
2. 一度のチェックで体質を決めつけてしまう
体質は固定されたものではなく、季節・年齢・生活環境によって変化します。夏場は水滞傾向が強くなり、冬場は血虚が目立つこともあります。定期的にセルフチェックを行い、今の自分の体質を把握することが大切です。1回の結果を金科玉条にせず、数ヶ月ごとに自分の体と向き合う時間を作りましょう。
3. 体質タイプを1つだけに絞ろうとする
「自分は何タイプ?」と1つに絞りたがる方が多いですが、実際には2〜3タイプが重なっているのが普通です。たとえば気虚+血虚の「気血両虚」や、気滞+瘀血の複合タイプはとても一般的です。複数のタイプが重なることを自然に受け入れて、メインとサブの体質を把握するようにしましょう。


体験者の声
30代女性:「セルフチェックで気滞タイプと出て、加味逍遙散を試したら1ヶ月でイライラが落ち着きました。チェックリストがきっかけで自分の体質を知れたのは大きかったです。」
40代男性:「セルフチェックでは気虚と水滞が同じくらい当てはまって迷いましたが、漢方外来で相談したら脈診と腹診の結果から気虚がメインとわかりました。やはりプロの診断は精度が違います。」
50代女性:「半年前は血虚タイプだったのが、今回チェックしたら気滞が目立つようになっていました。生活環境が変わった影響だと思います。定期的にチェックする大切さを実感しています。」
まとめ:まずは自分の体質タイプを知ることから
このセルフチェックをきっかけに、自分の体質に興味を持っていただけたら嬉しいです。体質を知ることが漢方選びの第一歩です。
もっと詳しく知りたくなったら、漢方外来や漢方薬局で相談してみてください。自分に合った漢方がきっと見つかります。
セルフチェックの結果だけで漢方を選ぶのは避けてください。あくまで参考として活用し、実際の漢方選びは専門家に相談しましょう。
よくある質問
Q. セルフチェックで体質タイプが判明したら、市販の漢方を自分で選んでいいですか?
軽い症状であれば試すことも可能ですが、より確実な効果を得るためには専門家に相談することをおすすめします。
Q. 体質タイプは季節によって変わりますか?
変わることがあります。夏は水滞になりやすく、冬は血虚が出やすいなど、季節の影響を受けます。定期的にチェックしてみてください。
Q. 子供の体質チェックもこのリストでできますか?
お子さまの場合は症状の表現が異なるため、このチェックリストでは正確な判断が難しい場合があります。小児の漢方に詳しい医師への相談をおすすめします。
Q. セルフチェックの結果は毎回変わるものですか?
体質は季節や生活環境、年齢とともに変化するため、チェック結果が変わることは十分あり得ます。季節の変わり目や体調が変わったタイミングで定期的にチェックしてみると、今の自分の状態をより正確に把握できます。
Q. 複数の体質タイプが同じくらいの数で当てはまる場合は?
漢方の専門家に相談するのが一番確実です。セルフチェックの結果をメモして持参すれば、相談がスムーズに進みます。専門家は問診だけでなく、脈診や腹診も行って総合的に判断するため、より正確な体質タイプがわかります。
Q. 舌のチェックはいつするのが一番正確ですか?
朝起きてすぐ、何も飲食する前がベストです。食事や飲み物で舌の色や苔の状態が変わってしまうためです。自然光の下で鏡を見ながら、リラックスした状態で舌を出してチェックしてみてください。
Q. 体質チェックの結果を漢方外来で活用するにはどうすればいいですか?
セルフチェックの結果をメモして初診時に持参すると、医師との相談がスムーズに進みます。「気虚が7個、水滞が5個当てはまりました」のように具体的に伝えると、医師が体質判断の参考にしやすくなります。
Q. 男性でも体質チェックはこのリストで大丈夫ですか?
気虚・血虚・気滞・瘀血・水滞の5タイプは性別に関係なく当てはまります。女性特有の項目(生理関連)以外はすべて男性にも適用可能です。男性でも冷え性や血行不良で悩む方は多いので、ぜひチェックしてみてください。
Q. 体質タイプに合った食事はありますか?
各タイプに適した薬膳食材があります。気虚には山芋・かぼちゃなどの気を補う食材、血虚にはなつめ・ほうれん草などの血を補う食材、水滞にはハトムギ・小豆などの利水食材がおすすめです。漢方と食養生を合わせることで効果がアップします。
Q. セルフチェックはどのくらいの頻度でやるべきですか?
季節の変わり目(3ヶ月に1回程度)に行うのがおすすめです。体質は季節や生活環境の変化で変わるため、定期的にチェックすることで今の自分に合った漢方やケアを見直すきっかけになります。
Q. 家族の体質チェックもやったほうがいいですか?
家族で体質チェックを行うと、お互いの体調を理解し合えるメリットがあります。同じ家庭で食事を共にする場合、家族の体質を把握しておくことで薬膳メニューの選び方にも活かせます。ただしお子さんの場合は症状の表現が異なるため、小児専門医への相談をおすすめします。




