デスクワーク、スマホの見すぎ、運動不足…現代人の国民病ともいえるのが肩こりです。マッサージに通う時間もお金も厳しい、というときに頼りになるのがツボ押しセルフケアです。道具もいらず、いつでもどこでもできるのが魅力です。
この記事では、肩こりに効果的なツボの位置を図解的にわかりやすく解説し、正しい押し方のコツまで紹介します。
肩こりが起きるメカニズム

筋肉の緊張と血行不良
同じ姿勢を長時間続けると、肩周辺の筋肉(僧帽筋・肩甲挙筋など)が緊張して血行が悪くなります。血行が悪くなると老廃物がたまり、それが痛みやだるさの原因になります。
ストレスと自律神経の関係
精神的なストレスでも肩こりは起きます。ストレスを感じると交感神経が優位になって筋肉が緊張し、血管が収縮して血流が悪くなります。「緊張すると肩に力が入る」のはまさにこのメカニズムです。

肩こりに効くツボ7選
肩井(けんせい)
位置:首の付け根と肩先のちょうど中間点です。肩の一番高いところを押して痛みを感じる場所です。
押し方:反対側の手の中指か人差し指で、5秒かけてじんわり押し込み、ゆっくり離します。これを5〜10回繰り返します。
効果:肩こりの代表的なツボです。肩全体の血行を良くし、首こり・頭痛にも用いられます。全身の血行促進にも作用する重要なツボです。
合谷(ごうこく)
位置:手の甲側、親指と人差し指の骨が交わる手前のくぼみです。人差し指寄りにあります。
押し方:反対の手の親指で、ちょっと痛みを感じるくらいの強さでグッと押します。3〜5秒押して離す、を10回行います。
効果:万能ツボの筆頭です。肩こりだけでなく、頭痛・歯痛・便秘・ストレスなど全身の不調に幅広く対応します。デスクワーク中でもこっそり押せるのが便利です。
手三里(てさんり)
位置:ひじを曲げたときにできるひじの横じわから、手首方向に指2〜3本分の位置です。押すと響くような痛みを感じるポイントです。
押し方:痛みを強く感じやすい場所なので、やや弱めの力で5〜10回もみほぐします。
効果:肩こりと腕の疲れに用いられます。パソコン作業やスマホ操作で腕がだるいときにも使えます。
天柱(てんちゅう)
位置:首の後ろ、髪の生え際にある2本の太い筋肉の外側のくぼみです。
押し方:両手の親指で頭を支えるように後頭部に手を回し、ツボに親指を当てて3秒押して離すを繰り返します。
効果:首こり・肩こり・頭痛・目の疲れに用いられます。パソコンで首が前に出がちな方に特におすすめです。
風池(ふうち)
位置:天柱のやや外側です。後頭部の髪の生え際で、僧帽筋と胸鎖乳突筋の間のくぼみです。
押し方:両手の親指でくぼみに当て、頭の重さを利用してじんわり押します。5秒×5回が目安です。
効果:風邪の引き始めにも使われる定番ツボです。肩こり・首こり・頭痛・目の疲れに幅広く対応します。
曲池(きょくち)
位置:ひじを曲げたときにできるしわの外側の端です。
押し方:反対の手の親指で、やや強めに5秒押します。5〜10回繰り返します。
効果:肩こり・腕の疲れ・肌荒れにも用いられます。ひじの外側にあるので自分で押しやすいです。
中府(ちゅうふ)
位置:鎖骨の外端の下にあるくぼみから、さらに指1本分下にあるポイントです。
押し方:反対の手の人差し指と中指で、円を描くようにやさしくマッサージします。15〜30秒が目安です。
効果:猫背の改善にも用いられます。胸を開いて姿勢を整える効果があり、巻き肩からくる肩こりに用いられます。
この中から「押して気持ちいい」と感じるツボを2〜3個選んで、毎日続けるのがおすすめです。全部押す必要はありません。
ツボ押しの正しいやり方

強さの目安
「痛気持ちいい」くらいが理想です。痛すぎると筋肉がかえって緊張するので逆効果です。押す強さは「イタ気持ちいい」の7割程度を意識しましょう。
呼吸との連動
息を吐きながらゆっくり押し込み、吸いながらゆっくり離します。呼吸と連動させることで副交感神経が優位になり、リラクゼーション効果もアップします。
時間と回数
1つのツボに対して3〜5秒×5〜10回が目安です。1日に多くても3回程度までにしましょう。長時間ぐりぐり押し続けるのはNGで、厚生労働省も過度なマッサージによる組織損傷について注意喚起しています。
やってはいけないこと
・力任せにグイグイ押す(筋肉を傷める)
・同じ場所を長時間もみ続ける(炎症の原因になる)
・ケガ・炎症・腫れがある部分のツボ押し
・飲酒直後のツボ押し

シーン別おすすめツボ

デスクワーク中に → 合谷・手三里
手元のツボなので目立たずに押せます。1〜2時間おきにツボ押しタイムを設けると、肩こりの蓄積を防げます。
帰宅後のリラックスタイムに → 肩井・天柱・風池
肩や首のツボは、ゆったり座った状態で押すのがベストです。テレビを見ながら、寝る前のリラックスタイムに取り入れましょう。
お灸と組み合わせるなら → 肩井・曲池
肩こりのツボにお灸をすえるのも効果的です。肩井にせんねん灸を1個すえるだけでも、血行が良くなって肩が軽くなるのを感じられるはずです。
肩こりツボ押しに関するQ&A
Q. ツボの位置がわからないときは?
ツボの位置は個人差があります。「押して特に気持ちいい場所」「押すと響くような感覚がある場所」がその方のツボです。多少ズレていても、周辺を刺激するだけで効果はあるので、あまり神経質にならなくて大丈夫です。
Q. ツボ押しグッズは使ったほうがいい?
指だけでも十分ですが、手三里や背中側のツボは指が届きにくいこともあります。テニスボールやツボ押し棒を使うと楽に押せます。100均でも売っているので気軽に試してみてください。
Q. 肩こりがひどいときは整形外科に行くべき?
腕のしびれ、手に力が入らない、首を動かすと激痛が走る、といった症状がある場合は、頸椎の問題が隠れている可能性があります。ツボ押しで様子を見るのではなく、日本整形外科学会の情報も参考に、早めに医療機関を受診しましょう。
Q. 肩こりにおすすめの漢方薬は?
葛根湯(かっこんとう)は肩こり・首こりの定番漢方です。風邪のイメージが強いですが、実は肩こりにもよく使われます。他にも当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)や桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)など、体質に合わせた漢方薬があります。漢方薬について詳しく知りたい方は、当サイトの漢方薬解説記事もチェックしてみてください。
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まとめ
肩こりに効くツボは、肩井・合谷・手三里・天柱・風池・曲池・中府の7つが代表的です。この中から自分が押して気持ちいいと感じるツボを2〜3個選んで毎日続けるのが効果を実感するコツです。
押す強さは「痛気持ちいい」の7割、呼吸に合わせてゆっくり、1つのツボに3〜5秒×5〜10回が基本です。デスクワーク中の合谷、帰宅後の肩井という感じで、生活の中に組み込んでいきましょう。
お灸の併用やストレッチとの組み合わせで、肩こりはかなり楽になるはずです。ツボ押しは道具もお金もいらない手軽なセルフケアです。今日から始めてみてください。



