「病院に行くほどではないけれど、なんとなく体の調子が悪い」「漢方を試してみたいけれど、まずは市販で手軽に始めたい」と感じている方は多いのではないでしょうか。
最近はドラッグストアの漢方コーナーがかなり充実してきており、気軽に漢方を始められる環境が整っています。しかし種類が多すぎて何を選べばいいかわからないという声もよく聞かれます。
この記事では、症状別におすすめの市販漢方薬を厳選して紹介していきます。ご自身の体質や症状に合ったものを見つけるヒントとして、ゆっくり読み進めてみてください。
市販の漢方薬を選ぶ前に知っておくべきこと
処方薬と市販薬の違い
まず知っておいていただきたいのは、市販の漢方と病院で処方される漢方は生薬の量が異なることが多いという点です。
市販品は安全性を考慮して、処方薬の半量〜3分の2程度の生薬量になっていることがほとんどです。そのため「市販で試して効果を感じたら、病院で処方してもらう」という段階的な使い方もおすすめです。
メーカーによる違い
市販漢方の主なメーカーはツムラ、クラシエ、小林製薬、ロート製薬あたりです。同じ処方名でも、メーカーによって生薬の産地や加工方法に多少の違いがあります。
品質的にはどのメーカーも問題ありませんが、ツムラとクラシエは医療用漢方も製造しているメーカーですので、漢方に対する知見が深いと言えるでしょう。

風邪・感染症に効く市販漢方おすすめ
葛根湯(かっこんとう)
漢方の中で最も知名度が高いと言っても過言ではない、風邪の初期症状の定番です。ゾクゾクする寒気、首や肩のこわばり、頭痛がある風邪のひき始めに飲むと効果的です。
ポイントは「ひき始め」に飲むことです。熱が上がりきってからでは効果が薄れてしまいます。「あれ、風邪っぽいかも」と感じた瞬間が、最も効果的なタイミングです。
ただし、汗をかいている風邪には向きませんので、汗をかかずにゾクゾクしているときに使うようにしましょう。
小青竜湯(しょうせいりゅうとう)
サラサラの鼻水が止まらない風邪や、花粉症にもおすすめの漢方です。くしゃみ、鼻水、水っぽい痰がある場合に適しています。
花粉の時期には市販の小青竜湯がよく売れますが、西洋薬のように眠くなりにくいのが嬉しいポイントです。
疲れ・だるさに効く市販漢方おすすめ
補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
疲れやすい、だるい、食欲がない…そんな「気虚」タイプの疲労にはこちらがおすすめです。「体力がなくて元気が出ない」と感じている方にぴったりの漢方です。
夏バテ、病後の体力回復、慢性的な疲労感にも広く使われています。リピーターが多い漢方のひとつとして知られています。
十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)
補中益気湯よりさらに体力が落ちている方向けの漢方です。気も血も両方足りない状態に使います。貧血気味で疲れやすい、顔色が悪い、食欲もないという場合におすすめです。

ストレス・メンタルに効く市販漢方おすすめ
加味逍遙散(かみしょうようさん)
ストレスやイライラ、PMSの定番漢方です。更年期のほてりや不眠にも使われます。
気分の浮き沈みが激しい、怒りっぽくなった、なんだか落ち着かない…そんな症状に心当たりがある方は、試してみる価値があるでしょう。
半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)
のどに何か詰まった感じがする、不安感がある、緊張しやすい…そんなストレスからくる身体症状におすすめです。
のどの異物感は検査しても異常が見つからないことが多く、西洋医学では対処しにくい症状ですが、漢方ではこの半夏厚朴湯がしっかり効果を発揮することが多いのが特徴です。
女性特有の悩みに効く市販漢方おすすめ
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
冷え性、むくみ、生理不順、貧血気味の方の味方です。体力があまりない、色白で華奢なタイプの方に合うことが多い漢方です。
妊活中の方にも使われることがあるほど、女性の体のベースを整えてくれる処方として広く知られています。
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
生理痛がひどい、経血にレバー状の塊が混じる、シミができやすい…そんな瘀血(おけつ)タイプの方におすすめです。当帰芍薬散とは逆で、比較的体力のある方に合う処方です。

胃腸・消化器に効く市販漢方おすすめ
六君子湯(りっくんしとう)
食欲がない、胃もたれする、お腹が張る…そんな胃腸の弱さにはこちらがおすすめです。胃腸を元気にしてくれる漢方で、機能性ディスペプシアにも使われています。
五苓散(ごれいさん)
むくみ、頭痛、めまい、二日酔い…水分バランスの乱れに効く万能選手です。天気痛(気象病)で頭痛がする方にも人気が高い漢方です。
市販漢方薬の選び方:失敗しないための3つのポイント
ポイント1:パッケージの「体力」表記を確認する
市販の漢方には「体力充実」「体力中等度」「体力虚弱」といった表記があります。これが自分の体質に合っているかが非常に重要です。体力充実向けの漢方を体力虚弱の方が飲むと、逆効果になることもありますので注意が必要です。
ポイント2:まずは小さいサイズから
いきなり大容量を購入するのは避けたほうが良いでしょう。まずは1週間分くらいの小さいパッケージで試して、体に合うか確認してからがおすすめです。
ポイント3:迷ったら薬剤師に相談する
ドラッグストアにも薬剤師が常駐していますので、遠慮なく相談してみてください。今の症状や体質を伝えれば、合いそうな漢方を提案してもらえます。
参考:クラシエ 漢方セラピー
参考:ツムラ 漢方について
市販の漢方を選ぶ際の最重要ポイントは、パッケージの「体力」表記と自分の体質が合っているかを確認することです。合わない漢方を飲み続けても効果は期待できません。

まとめ:まずは市販から漢方デビューしてみよう
市販の漢方は、漢方デビューのハードルを下げてくれる心強い存在です。自分の症状と体質に合ったものを正しく選べば、しっかり効果を実感できるでしょう。
ただし、2週間飲んでも変化がなかったり、症状が悪化したりする場合は、自己判断を続けずに漢方外来や漢方薬局で相談することをおすすめします。体質にぴったり合った漢方を見つけてもらえます。まずは気になる漢方をひとつ試してみることから始めてみてください。
市販の漢方薬であっても副作用のリスクはゼロではありません。特に複数の漢方を同時に服用する場合は、甘草などの生薬が重複することがありますので、必ず薬剤師に相談してから購入してください。
よくある質問
Q. 市販の漢方薬はどこで買えますか?
ドラッグストア、薬局のほか、一部のスーパーやオンラインショップでも購入できます。ただし、漢方は「第2類医薬品」に分類されるものが多いため、薬剤師または登録販売者がいる店舗での購入が安心です。
Q. 市販と処方薬、どちらを選ぶべきですか?
軽い症状やお試しであれば市販品で十分です。効果を感じた場合や長期的に続けたい場合は、病院で処方してもらうほうがコストパフォーマンスも効果も高くなります。
Q. 市販の漢方薬を飲んで効果がなかった場合はどうすればいいですか?
2週間ほど飲んでも何の変化も感じない場合は、体質に合っていない可能性があります。自己判断で別の漢方に切り替えるのではなく、薬剤師や漢方に詳しい医師に相談して処方の見直しを検討しましょう。


