「帯状疱疹は治ったはずなのに、痛みだけがいつまでも続く」「ピリピリ、ズキズキした神経痛で夜も眠れない」「鎮痛薬を飲んでもスッキリしない」。帯状疱疹の後遺症として最も多い「帯状疱疹後神経痛(PHN)」は、長期間にわたり生活の質を下げるつらい症状です。
帯状疱疹後神経痛は、ウイルスによって神経が傷つけられることで起こります。西洋医学では鎮痛薬や抗てんかん薬などが用いられますが、漢方では痛みのタイプ(冷え・血行不良・水滞など)に応じた体質改善でアプローチします。
この記事では、帯状疱疹の後遺症が気になる方に向けて、漢方的な考え方やおすすめの処方、日常の養生法を解説します。

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帯状疱疹後神経痛を漢方ではどう考える?


「気血の停滞」|巡りの悪さが痛みを生む
東洋医学では「不通則痛(通じざれば則ち痛む)」という基本原則があります。気や血の巡りが滞ると痛みが生じるという考え方です。帯状疱疹後の神経痛も、ウイルスによる損傷で気血の巡りが悪くなった結果だと捉えます。
「寒凝血瘀(かんぎょうけつお)」|冷えと血行不良の複合
冷えが強く、同時に血の巡りも悪い状態です。冷えると痛みが増す、夜間に痛みが強くなる、痛む部位が冷たいなどの特徴があります。特に高齢者や虚弱体質の方に多く見られるパターンです。
「湿熱残留」|炎症の名残り
帯状疱疹の急性期の熱や湿が完全に取りきれずに残っている状態です。患部に熱感がある、水疱の跡が赤い、ジクジクした感じがあるなどの症状がある場合に考えられます。
「気血両虚」|病後の体力消耗
帯状疱疹を発症すること自体が体力の消耗を示しており、回復後も気と血が不足した状態が続くことがあります。疲れやすい、食欲がない、顔色が悪いなどの症状を伴う場合は、このタイプの可能性があります。
帯状疱疹後神経痛は「冷え」「血行不良」「湿熱残留」「体力消耗」など、複数の要因が絡んでいることが多いです。漢方では、痛みのタイプと全身状態を総合的に見て処方を選びます。
帯状疱疹後神経痛によく用いられる漢方薬
桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)
帯状疱疹後神経痛の漢方治療で多く用いられる処方のひとつです。体を温め、血行を促進し、神経周囲の浮腫を改善する作用があるとされています。
冷えると痛みが増すタイプ、夜間の痛みが強いタイプに適しています。附子(ぶし)が含まれており、体を温めながら痛みを和らげます。ブシ末を追加増量することで、改善率が高まったという報告もあります。
桂枝加朮附湯は市販薬としても販売されており、ドラッグストアやネット通販で取り扱いがあります。どんな製品があるのか、価格やレビューは各ショップで確認できます。
麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)
強い冷えを伴う神経痛に用いられる処方です。体の芯から温め、痛みを和らげる作用が期待されています。
高齢者で体力が低下し、全身の冷えが強い方に適しています。帯状疱疹後神経痛の慢性期によく検討される処方です。
当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)
末端の冷えが強く、痛みを伴う方に用いられます。血を補い、温め、巡りを良くする多面的な処方です。
手足の先が冷たく、しもやけになりやすい体質の方の神経痛に適しています。


五苓散(ごれいさん)
水分代謝を整える代表的な処方で、帯状疱疹の急性期から慢性期まで幅広く用いられます。神経周囲のむくみを取り除き、痛みを軽減する目的で使用されます。
めまいや頭痛、むくみなどの水滞症状を伴う方に適しています。
十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)
病後の体力低下が著しい方の帯状疱疹後神経痛に用いられます。気と血の両方を大きく補い、体の回復力を高める処方です。
疲れやすい、食欲がない、顔色が悪いなどの気血両虚の症状が強い方に適しています。他の処方と組み合わせて使われることもあります。
十全大補湯も市販されている処方のひとつで、病後の体調が気になる方に選ばれています。錠剤タイプや顆粒タイプなど、続けやすい剤形を選べるのもポイントです。
補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
気虚が強い方の帯状疱疹後神経痛に用いられます。胃腸の機能を高め、気を補って体力を回復させることで、間接的に痛みの軽減をサポートします。
帯状疱疹後神経痛の体質別・漢方の選び方ガイド
寒凝血瘀タイプ(冷えで悪化・夜間痛・患部冷たい)→ 桂枝加朮附湯・麻黄附子細辛湯
末端冷えタイプ(手足の先が冷たい・しもやけ体質)→ 当帰四逆加呉茱萸生姜湯
水滞タイプ(むくみ・めまい・神経周囲の浮腫)→ 五苓散
気血両虚タイプ(疲労・食欲不振・体力低下)→ 十全大補湯・補中益気湯
帯状疱疹後神経痛の養生法


患部を冷やさない
患部を冷やすと痛みが悪化することが多いため、温めることを基本にしましょう。カイロや温湿布、蒸しタオルなどで適度に温めるのが有効です。ただし、患部に熱感がある場合は温めすぎに注意してください。
冷えが気になる季節は、貼るタイプのカイロや温熱シートを常備しておくと、外出先でも手軽に温かさをキープできます。低温やけどを防ぐため、肌に直接貼らないタイプを選ぶと安心です。
ストレスと睡眠の管理
ストレスや睡眠不足は免疫力を低下させ、神経の回復を遅らせます。質の良い睡眠を確保し、リラックスできる時間を持つことが大切です。痛みで眠れない場合は、漢方の酸棗仁湯(さんそうにんとう)などが検討されることもあります。
バランスの良い食事で体力回復
体力の回復を助けるために、良質なたんぱく質、ビタミン、ミネラルを含むバランスの良い食事を心がけましょう。体を温める食材(生姜、ネギ、シナモン、羊肉など)を積極的に取り入れるのもおすすめです。
生姜やネギ、シナモンといった食材を、薬膳ではそれぞれの性質で分けて考えます。食材の性質や組み合わせ方、季節に合わせた食養生の基本を落ち着いて学んでみたい方には、オンラインで受講できる「養生薬膳資格取得講座」があります。日々の献立を考えるときの知識として、講座の内容を確認してみてください。



無理のない範囲で体を動かす
安静にしすぎると血行が悪くなり、痛みが長引くことがあります。散歩やストレッチなど、無理のない範囲で体を動かし、全身の血行を促しましょう。


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漢方で帯状疱疹後神経痛にアプローチするときの注意点


西洋医学との併用が基本
帯状疱疹後神経痛は、西洋医学の鎮痛薬やプレガバリンなどの薬物療法と漢方を併用するケースが多いです。漢方だけに頼るのではなく、担当医と相談しながら総合的に治療を進めましょう。
帯状疱疹ワクチンの検討
50歳以上の方は帯状疱疹ワクチンの接種が推奨されています。予防の観点からも、かかりつけ医に相談してみてください。
帯状疱疹後神経痛は、痛みが強い場合や日常生活に支障がある場合は、まず医療機関(皮膚科やペインクリニック)を受診してください。漢方薬は医師の指導のもとで服用しましょう。
よくある質問(Q&A)
Q. 帯状疱疹後神経痛はどれくらい続きますか?
個人差が大きいですが、数か月から数年続くケースもあります。早期から適切な治療(西洋医学+漢方)を始めることで、痛みの期間を短縮できる可能性があります。
Q. 帯状疱疹後神経痛に使う漢方薬はいつから始めるのが良いですか?
帯状疱疹の皮膚症状が治まり、痛みだけが残っている段階から漢方を始めることが一般的です。ただし、急性期から漢方を併用するケースもあります。担当医と相談して開始時期を決めましょう。
Q. 帯状疱疹後神経痛の漢方薬はドラッグストアで買えますか?
桂枝加朮附湯や五苓散などは市販されていますが、帯状疱疹後神経痛の治療は体質に合った処方選びが重要です。自己判断で市販薬を購入するよりも、漢方専門の医師に相談することをおすすめします。
どんな製品が市販されているか事前に見ておきたい方は、下記から取り扱い状況を確認できます。購入前に医師や薬剤師へ相談すると、体質に合った選び方がしやすくなります。
まとめ
帯状疱疹後神経痛は、冷え・血行不良・水滞・体力消耗などの体質的な原因が複合して起こることが多い症状です。漢方では桂枝加朮附湯・麻黄附子細辛湯・五苓散・十全大補湯などの処方で、痛みのタイプに合わせたアプローチを行います。
日常生活では患部を冷やさないこと、十分な睡眠とバランスの良い食事、適度な運動を心がけましょう。西洋医学との併用が基本ですので、担当医と相談しながら漢方を取り入れてみてください。
関連情報:漢方坂本 帯状疱疹後神経痛 / 薬石花房幸福薬局 帯状疱疹の漢方薬


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