「飲み会の翌朝がつらい」「お酒を飲んだ後に胃がムカムカする」「若い頃と比べてお酒が抜けにくくなった」――そんな経験はありませんか。お酒が好きな方にとって、飲み過ぎた後のケアは切実な問題です。
東洋医学では、飲酒によるダメージは「湿熱(しつねつ)」として体内に蓄積すると考えます。薬膳の知恵を使って、肝の働きをサポートし、余分な湿熱を排出する食材を取り入れることで、飲み過ぎのケアが可能です。
この記事では、飲み過ぎの前後に取り入れたい薬膳食材と、お酒と上手に付き合うための養生法を解説します。

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お酒が体に与える影響を東洋医学で考える


「湿熱」が体にたまる
東洋医学では、アルコールは「湿」と「熱」の性質を持つとされています。飲酒によって体内に湿熱がたまると、頭が重い、胃がムカムカする、口が渇く、顔が赤い、体がだるいなどの症状が現れます。
「肝」に負担がかかる
東洋医学では「肝」はアルコールの解毒を担う臓器であり、飲酒が続くと肝の気血が消耗すると考えます。肝の働きが低下すると、イライラ、目の充血、筋肉の引きつり、爪のもろさなどの症状が出やすくなります。
「脾胃」の消化力が落ちる
アルコールは胃の粘膜を刺激し、脾胃の消化力を低下させます。飲み過ぎた翌日に食欲がない、軟便になる、胃がもたれるなどの症状は、脾胃がダメージを受けているサインです。
飲み過ぎのケアは「湿熱を排出する」「肝の働きをサポートする」「脾胃を整える」の3本柱が基本です。食材選びでこの3つを意識すると、回復が早まります。
飲み過ぎケアにおすすめの薬膳食材
しじみ|肝を助ける定番食材
しじみに含まれるオルニチンやタウリンは、肝臓のアルコール代謝をサポートする成分として知られています。薬膳的にも、しじみは「寒性」で肝の熱を冷まし、利水作用で余分な水分を排出する働きがあるとされています。
飲み過ぎた翌朝にしじみの味噌汁を飲む習慣は、薬膳の理にかなった養生法です。味噌のアミノ酸としじみの成分が組み合わさり、胃腸にも優しい一杯になります。
大根|消化を助け、熱を冷ます
大根は「消食(しょうしょく)」の代表的な食材で、胃もたれや消化不良を助けるとされています。涼性で体の熱を冷ます作用もあるため、飲み過ぎで体に熱がこもったときにぴったりです。大根おろしやスープにして摂るのがおすすめです。
はと麦|余分な湿を排出する
はと麦は利水作用に優れた食材で、体にたまった余分な水分(湿)を排出する働きがあるとされています。飲み過ぎてむくみが出たときや、体が重だるいときに取り入れたい食材です。
枝豆・豆腐|良質なタンパク質で肝をサポート
肝臓がアルコールを分解する際には、良質なタンパク質が必要です。枝豆や豆腐は消化しやすく、飲酒時のおつまみとしても、翌日の回復食としても適しています。
梅干し|クエン酸で代謝を促進
梅干しに含まれるクエン酸は、エネルギー代謝を促す働きがあるとされています。薬膳的には酸味が「肝」に作用し、収斂(しゅうれん)作用で体の余分な発散を抑えます。二日酔いの朝に梅干し入りのお粥がおすすめです。
緑豆・もやし|解毒の定番食材
緑豆は東洋医学で「清熱解毒」の代表食材とされ、体にたまった熱と毒素を排出する働きがあるとされています。緑豆から作られるもやしも同様の効能を持つとされ、手軽に取り入れられます。


飲む前・飲んでいる最中にできる養生


飲む前|胃を守る一杯を
空腹で飲酒すると胃への刺激が強くなります。飲む前に牛乳やヨーグルトで胃の粘膜を保護する、あるいは山芋や長芋のとろろを摂ることで、胃壁を守るクッションになるとされています。
飲んでいる最中|おつまみ選びで差がつく
おつまみは枝豆、豆腐、刺身(特に白身魚)、酢の物など、タンパク質や酸味のあるものを選ぶと肝臓のサポートにつながります。揚げ物や辛い物の食べ過ぎは湿熱を助長するため、控えめにしましょう。
飲んだ後|水分補給と温かい食事
飲酒後は脱水になりやすいため、常温の水やお白湯をこまめに補給することが大切です。寝る前にコップ1杯の水を飲むだけでも、翌朝の体調が違ってきます。
食事や水分補給とあわせて、飲み過ぎによる胃のむかつきに備えておきたい方は、生薬製剤イツラックを手元に置く方法もあります。食品ではなく、ケイヒ油・チョウジ油・ウイキョウ油を配合した指定医薬部外品のカプセルで、効能・効果は「食べ過ぎ、飲み過ぎによる胃部不快感及びはきけ」です。漢方薬とは区分が異なり、15歳未満は服用できません。



二日酔いの朝におすすめの薬膳メニュー


しじみと大根の味噌汁
肝をサポートするしじみと、消化を助ける大根を組み合わせた、二日酔いの朝にぴったりの一杯です。温かいスープが脾胃を穏やかに目覚めさせてくれます。
梅干しとクコの実のお粥
梅干しのクエン酸が代謝を促し、クコの実が肝を養います。お粥は消化に優しく、弱った胃腸にも負担がかかりません。
緑豆もやしの温サラダ
緑豆もやしを軽く茹でて、ポン酢やごま油で和えた簡単メニュー。解毒作用と利水作用で、体内の余分な湿熱を排出するサポートが期待されます。
薬膳での飲み過ぎケアはあくまで食事面からのサポートです。飲み過ぎ自体を防ぐことが最も重要であり、適量の飲酒を心がけましょう。肝臓の不調が続く場合は医療機関を受診してください。
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Q&A|お酒と薬膳に関するよくある質問
Q. 薬膳的に「良いお酒」はある?
東洋医学では、適量の酒は「血行を促進し、気の巡りを良くする」とされています。特に赤ワインは体を温め、血行を促す飲み物とされていますが、あくまで適量が前提です。
Q. ウコンは薬膳的にはどうなの?
ウコン(ターメリック)は東洋医学でも「活血」「利胆」の効能があるとされ、肝の働きをサポートする食材です。ただし、体を温める性質が強いため、のぼせやすい方は摂りすぎに注意しましょう。
Q. お酒を飲む量を減らすのに漢方は使える?
直接的に飲酒量を減らす漢方薬はありませんが、ストレスが飲酒の原因になっている場合、加味逍遙散や半夏厚朴湯などでストレスケアをすることで、結果的に飲酒量が減るケースもあるとされています。


日頃から肝をいたわる薬膳習慣
肝を養う食材を日常に
飲み会がある日だけでなく、日頃から肝を養う食材を食事に取り入れておくことで、アルコールへの耐性が変わってきます。クコの実、菊花茶、セロリ、レバー、ほうれん草などが肝の養生に適した食材です。
休肝日の過ごし方
週に2日以上の休肝日を設けることは、肝臓の回復にとって非常に大切です。休肝日にはしじみの味噌汁やはと麦茶など、肝をサポートする食材を積極的に取り入れると、翌週の飲酒時に体が楽に感じられることがあります。
まとめ|飲み過ぎケアは「食」で差がつく
飲み過ぎによる体への影響は、薬膳の知恵を活かした食材選びでかなり軽減できます。しじみ、大根、はと麦、梅干し、緑豆など、身近な食材を飲酒前後に取り入れるだけで、肝のサポートと湿熱の排出が期待できます。
何よりも大切なのは適量を守ることですが、飲む機会が多い方は日頃から肝と脾胃をいたわる食生活を心がけましょう。
参考:ふるなび|二日酔いに効く食べ物と飲み物 マイナビ転職|肝臓を回復させる方法 富士薬品|二日酔いに効く食べ物
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