「スキンケアを頑張っても肌荒れが繰り返す」「ニキビや乾燥が季節を問わず気になる」。そんな悩みを抱えている方は、外側からのケアだけでなく、体の内側から体質を整えることを考えてみてください。
東洋医学では「肌は内臓の鏡」と考えます。肌荒れの原因は皮膚だけにあるのではなく、体の中のバランスの乱れが表面に現れたものだと捉えるのが東洋医学の特徴です。この記事では、肌荒れに関わる体質のタイプと、食事・生活習慣を中心とした改善方法を詳しく解説していきます。
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東洋医学が考える肌荒れの原因


「血虚(けっきょ)」=血の不足
東洋医学でいう「血」は、体に栄養とうるおいを届ける役割があります。この血が不足すると、肌に十分な栄養が行き渡らず、乾燥・くすみ・小ジワ・髪のパサつきといった症状が出やすくなります。
血虚の方に多い特徴は以下の通りです。
- 顔色が青白い、または黄色っぽい
- 爪が薄くて割れやすい
- 目が疲れやすい、かすむ
- めまいや立ちくらみが起きやすい
- 月経量が少ない(女性の場合)


「瘀血(おけつ)」=血の滞り
血はあるものの巡りが悪い状態が「瘀血」です。シミ・くすみ・目の下のクマ・ニキビ跡が消えにくいなどの肌トラブルと関連が深いです。唇や歯ぐきの色が暗い紫っぽい方は瘀血の可能性があります。
「脾」の弱りと肌荒れの関係
脾は消化吸収を担当する臓器で、食べたものから栄養を作り出します。脾が弱ると、いくら栄養のあるものを食べても体に吸収されず、肌に栄養が届かなくなります。口の周りのニキビや吹き出物は、東洋医学では脾胃(胃腸)の弱りのサインとされています。
「肺」と肌のつながり
東洋医学では肺と皮膚は密接な関係にあります。肺は皮膚の水分バランスやバリア機能を司るとされていて、肺が弱ると肌の乾燥や敏感肌につながります。秋冬に肌荒れが悪化しやすい方は、肺の機能が落ちている可能性があります。
肌荒れタイプ別の体質チェック
乾燥・くすみタイプ(血虚)
肌全体がカサカサして、ハリやツヤがありません。ファンデーションのノリが悪く、粉を吹くこともあります。爪や髪も乾燥しやすいのが特徴です。
ニキビ・吹き出物タイプ(湿熱)
赤くて腫れたニキビが繰り返しできます。油っぽい食事や甘いものが好きで、顔のTゾーンがベタつきやすいです。東洋医学では体内に「湿(余分な水分)」と「熱」が溜まっている状態と考えます。
シミ・くすみタイプ(瘀血)
シミやくすみが目立ち、肌全体のトーンが暗いです。あざが治りにくく、肩こりや月経痛が強い方に多く見られます。
敏感肌・かゆみタイプ(気虚・肺虚)
季節の変わり目に肌が荒れます。少しの刺激でかゆみや赤みが出ます。風邪をひきやすい方にも多いタイプです。


体質改善のための食事


血を補う食材(血虚タイプ向け)
おすすめの補血食材
- レバー(鶏・豚):鉄分豊富で血を補う代表格
- ほうれん草・小松菜:鉄分とビタミンを同時に摂れる
- 黒ごま:東洋医学で「血を養い肌を潤す」食材
- なつめ:気と血の両方を補える万能食材
- クコの実:「枸杞子」として漢方でも使われ、肝と腎を補う
- 黒豆:腎を補いながら血を養う
余分な熱と湿を取る食材(ニキビタイプ向け)
- はと麦:余分な水分と熱を排出し、肌を整える
- 緑豆:体の熱を冷まして解毒をサポート
- きゅうり・冬瓜:余分な水分を排出
- ドクダミ茶:東洋医学で解毒に用いられるお茶
避けたい食べ物
甘いもの・脂っこいもの・辛すぎるもの・アルコールは、東洋医学では体内に湿や熱を溜めやすいとされています。肌荒れ中は特に控えめにしたいところです。冷たい飲み物も脾を弱めるので、常温か温かい飲み物を選びましょう。
極端な食事制限やダイエットは血虚を悪化させる原因になります。バランスよく食べることが美肌への近道です。
肌荒れを改善する生活習慣
夜10時〜2時の「美肌ゴールデンタイム」
東洋医学でも西洋医学でも、この時間帯の睡眠が肌の修復に重要だとされています。東洋医学的には肝が血を蓄え、肌に栄養を送るのがこの時間帯です。なるべく日付が変わる前に就寝する習慣をつけましょう。
適度な運動で血行を促進
血の巡りが良くなると、肌に栄養や酸素が届きやすくなります。ウォーキングやヨガ、ストレッチなど、自分が無理なく続けられる運動がおすすめです。特に瘀血タイプの方は運動で血行を促すことが大切です。
ストレスケアも忘れずに
東洋医学では、ストレスが溜まると「肝」の機能が乱れ、気血の巡りが悪くなると考えます。ストレスが原因の肌荒れは、スキンケアだけでは対処しきれません。趣味の時間やリラックスできる入浴習慣を取り入れましょう。
肌荒れに用いられる漢方薬
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
血を補い、水分代謝を整える処方です。血虚で冷え性、むくみやすい方の肌荒れに用いられることが多いです。女性の味方と呼ばれる漢方薬のひとつです。
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
瘀血を改善する代表的な処方です。シミ・くすみ・ニキビ跡が気になる方に用いられます。血の巡りを良くすることで、肌のトーンが明るくなるとされています。
清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)
顔面の赤いニキビが繰り返しできる方に用いられます。体の上部に溜まった余分な熱を冷ます働きがあるとされています。比較的体力がある方向けの処方です。
温清飲(うんせいいん)
血虚と熱が同時にある状態(肌が乾燥しているのに赤みやかゆみもある)に用いられます。アトピー性皮膚炎の体質改善にも使われることがある処方です。


美肌に役立つツボ


三陰交(さんいんこう)
足の内くるぶしから指4本分上にあるツボです。肝・脾・腎の3つの経絡が交わる場所で、血を補い、ホルモンバランスを整え、肌の調子を良くするとされています。女性に特におすすめのツボです。
血海(けっかい)
膝のお皿の内側上端から指3本分上にあるツボです。名前の通り「血の海」で、血の巡りを良くし、肌のくすみやシミ対策に用いられます。
曲池(きょくち)
肘を曲げた時にできるシワの外端にあるツボです。皮膚の炎症やかゆみに用いられるツボで、ニキビや湿疹が気になる時に押すと良いでしょう。
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よくある質問(Q&A)
Q. 高価なスキンケア用品は不要ということ?
A. そうではありません。外側からのケアも大事です。ただ、内側の体質が整っていないと外側だけのケアでは限界があります。「内外両面からのケア」が理想です。
Q. 体質改善でどれくらいで肌に変化が出る?
A. 肌のターンオーバーは約28日周期とされているので、まずは1〜2か月続けてみてください。体質レベルの変化を実感するには3〜6か月かかることが多いです。
Q. 男性でも体質改善で肌荒れは良くなる?
A. もちろんです。性別に関係なく、食事・睡眠・運動の改善は肌に良い影響を与えます。特に男性は脂っこい食事や飲酒が多くなりがちなので、食生活を見直すだけでも変化を感じやすいです。
まとめ
肌荒れの体質改善は「血を補う」「巡りを良くする」「脾と肺を整える」の3つがポイントです。食事では補血食材を意識し、甘いもの・冷たいもの・脂っこいものを控えめにしてください。十分な睡眠と適度な運動を組み合わせて、内側からの美肌づくりに取り組んでみてください。
漢方薬を試してみたい方は、クラシエのカンポフルライフで体質チェックをしたり、日本東洋医学会で漢方専門医を探したりするのがおすすめです。自分の肌荒れの「体質タイプ」を知ることが、美肌への第一歩になります。
肌荒れを悪化させるNG習慣
夜更かしは肌の大敵
東洋医学では「肝は血を蔵す」とされており、夜の睡眠中に肝が血を蓄えて翌日に備えるとされています。夜更かしすると肝の修復が追いつかず、血虚が進んで肌荒れがどんどん悪化するという悪循環に陥ります。
過度な洗顔・ピーリング
東洋医学では皮膚のバリア機能は「肺」が管理しているとされています。過度な洗顔やピーリングはこのバリアを壊すことになり、かえって肌荒れを招きます。肌の表面だけでなく、体の内側(肺の機能)を整えることが大事です。
冷たい飲食物の摂りすぎ
暑い季節はアイスや冷たい飲み物が欲しくなりますが、冷たいものの摂りすぎは脾を冷やし、水分代謝が悪くなってむくみやニキビの原因になります。常温か温かい飲み物を基本にしましょう。


体質別の薬膳レシピ
血虚タイプ向け:なつめと黒ごまのお粥
白米1/2カップに水500ml、なつめ3個、黒ごま大さじ1を入れてじっくり炊きます。仕上げにクコの実を散らすと見た目も華やかです。朝食にすると血を補いながら脾も養える一石二鳥のメニューです。
湿熱タイプ向け:はと麦と緑豆のスープ
はと麦と緑豆を同量ずつ(各30g程度)水に浸して柔らかく煮ます。好みで少量の氷砂糖を加えてもOKです。余分な湿と熱を排出してくれるので、ニキビが繰り返す方におすすめです。
瘀血タイプ向け:サフランティー
サフラン(番紅花)数本をカップに入れてお湯を注ぎ、5分ほど蒸らします。血の巡りを良くし、肌のくすみ対策に用いられてきたお茶です。ただし妊娠中は避けてください。
こうした薬膳レシピを自分の体質や季節に合わせてアレンジしたい方は、薬膳の基礎から学んでみるのもおすすめです。養生薬膳資格取得講座は、食材の性質や季節の養生、漢方の考え方をオンラインで学べる講座です。レシピを見て作るだけでなく、食材選びの理由まで理解したい方は、学べる内容や受講の流れをチェックしてみてください。



肌荒れと月経周期の関係
女性の場合、月経周期と肌荒れは深い関係があります。東洋医学では月経前にニキビが増えるのは「気滞」や「瘀血」が関係していると考えます。月経前に肝の気が滞りやすくなり、それが肌に影響するという仕組みです。
月経前1週間は特にストレスケアと食事に気をつけることで、肌荒れの程度を軽くできる可能性があります。具体的には、辛いものや甘いものを控え、ミントティーやジャスミンティーなど気の巡りを助けるお茶を取り入れるのがおすすめです。
内側ケアと外側ケアのバランス
体質改善で内側からケアすることの大切さを説明してきましたが、もちろん外側からのスキンケアも不要というわけではありません。大事なのは内側7割、外側3割くらいの意識で取り組むことです。
外側のケアとしては、以下の基本を押さえておきましょう。
- 洗顔は1日2回まで(朝は水だけでもOK)
- 保湿は肌が乾ききる前に行う
- 日焼け止めは毎日(シミ・くすみの予防)
- スキンケアの種類を増やしすぎない(シンプルが基本)
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