薬膳を始めたいけれど、どの食材がどんな効能を持っているのか分からない──そんな方のために、身近な食材を体質別・効能別に整理した一覧をまとめました。スーパーで買えるものがほとんどなので、普段の食事にすぐ取り入れることができます。

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薬膳食材の分類の基本


五性(ごせい)で食材を分類する
薬膳では食材を「体への温度作用」で5つに分類します。自分の体質や体調に合った五性の食材を選ぶことが薬膳の基本です。
- 熱性:体を強く温める(唐辛子、シナモン、コショウなど)
- 温性:体を穏やかに温める(生姜、ネギ、鶏肉、エビなど)
- 平性:温めも冷やしもしない(米、じゃがいも、キャベツなど)
- 涼性:体を穏やかに冷やす(豆腐、大根、小麦など)
- 寒性:体を強く冷やす(きゅうり、スイカ、ゴーヤなど)
五味(ごみ)で食材を分類する
食材の味はそれぞれ対応する臓器に作用するとされています。
- 酸味(肝に作用):レモン、梅、酢、トマト
- 苦味(心に作用):ゴーヤ、緑茶、セロリ
- 甘味(脾に作用):米、かぼちゃ、ナツメ、ハチミツ
- 辛味(肺に作用):生姜、ネギ、大葉、ニンニク
- 鹹味(かんみ)(腎に作用):昆布、海苔、アサリ、イカ


五性と五味の組み合わせ方を、一覧を眺めるだけでなく体系的に身につけたい方には、通信講座で学ぶ方法もあります。NPO法人日本統合医学協会の「養生薬膳資格取得講座」では、五行色体表の活用法や五季の代表的な旬の食材を、解説動画と確認テストで学べます。修了試験に合格すると、協会認定の「薬膳インストラクター」の資格申請に進めます。



体質別おすすめ食材一覧


気虚(ききょ)タイプ ── エネルギー不足が気になる方
特徴:疲れやすい、やる気が出ない、風邪をひきやすい、食欲がない、声が小さくなりがち
気を補う(補気)食材がおすすめです。
- 穀類:米、もち米、山芋、じゃがいも
- 野菜:かぼちゃ、さつまいも、枝豆、大豆
- 肉・魚:鶏肉(特にむね肉)、牛肉、鮭、タラ
- その他:ナツメ、はちみつ、しいたけ、卵
血虚(けっきょ)タイプ ── 血が不足気味の方
特徴:顔色が悪い、爪が割れやすい、髪がパサつく、めまいが起きやすい、肌が乾燥しやすい
血を補う(補血)食材がおすすめです。
- 肉・魚:レバー(豚・鶏)、マグロ、カツオ、イカ、タコ
- 野菜:ほうれん草、小松菜、ニンジン、黒きくらげ
- その他:黒ごま、クコの実、ナツメ、プルーン、黒豆
気滞(きたい)タイプ ── ストレスで気が滞りやすい方
特徴:イライラしやすい、お腹が張る、げっぷやガスが多い、気分にムラがある
気の巡りを良くする(理気)食材がおすすめです。
- 野菜・ハーブ:大葉(シソ)、セロリ、ミント、春菊、三つ葉
- 果物:柑橘類(みかん、グレープフルーツ、レモン)、梅
- その他:ジャスミン茶、陳皮(みかんの皮)、ラベンダー
瘀血(おけつ)タイプ ── 血の巡りが気になる方
特徴:肩こりがひどい、顔色がくすみやすい、シミが気になる、生理痛が重い、唇の色が暗い
血の巡りを良くする(活血)食材がおすすめです。
- 野菜:玉ねぎ、ニラ、チンゲンサイ、黒きくらげ
- 魚介:サバ、イワシ、サンマなどの青魚
- その他:酢、黒酢、紅花、ターメリック(ウコン)、桃
水滞(すいたい)タイプ ── 水分の巡りが悪い方
特徴:むくみやすい、体が重だるい、頭が重い、舌にベタッとした苔がある、雨の日に体調が悪くなりやすい
水の巡りを良くする(利水)食材がおすすめです。
- 穀類・豆類:ハトムギ、小豆、緑豆、トウモロコシ
- 野菜:冬瓜、きゅうり、セロリ、アスパラガス
- その他:昆布、わかめ、とうもろこしのヒゲ茶
陰虚(いんきょ)タイプ ── 体の潤いが不足している方
特徴:喉が渇きやすい、肌がカサつく、手足がほてる、寝汗をかきやすい、便が硬い
体を潤す(滋陰)食材がおすすめです。
- 野菜・果物:梨、白きくらげ、レンコン、トマト、バナナ
- 肉・魚:豚肉、鴨肉、カキ(牡蠣)
- その他:豆乳、はちみつ、松の実、クコの実
陽虚(ようきょ)タイプ ── 体が冷えやすい方
特徴:手足が冷たい、温かい飲み物が好き、腰や膝がだるい、トイレが近い
体を温める(温陽)食材がおすすめです。
- 肉類:羊肉、鶏肉、牛肉
- 野菜・薬味:生姜、ニラ、ネギ、ニンニク、唐辛子
- その他:くるみ、栗、シナモン、紅茶


お悩み別おすすめ食材早見表
体質タイプがわからなくても、今の「お悩み」から食材を選ぶこともできます。以下の早見表を参考にしてみてください。
冷えが気になる方
体の芯を温める食材を中心に摂りましょう。調理法は「煮る」「蒸す」など火を通す方法がおすすめです。
- 生姜、ネギ、ニラ、シナモン、唐辛子
- 鶏肉、羊肉、エビ、くるみ
- 紅茶、生姜湯、シナモンティー
疲れやすい・食欲がない方
気を補い、脾胃(消化器系)を整える食材がおすすめです。消化しやすい調理法(お粥・スープ)で取り入れると胃腸に負担がかかりにくいです。
- 山芋、かぼちゃ、さつまいも、米
- ナツメ、はちみつ、しいたけ、鶏むね肉
- お粥、ポタージュスープ
肌荒れ・乾燥が気になる方
体を潤す「滋陰」の食材と、血を補う「補血」の食材を意識して摂りましょう。
- 白きくらげ、梨、レンコン、豆乳、はちみつ
- クコの実、黒ごま、ほうれん草、ニンジン
ストレスが溜まりやすい方
気の巡りを良くする「理気」の食材がおすすめです。香りの強い食材が気を動かしてくれるとされています。
- セロリ、大葉、春菊、ミント、柑橘類
- ジャスミン茶、陳皮(みかんの皮)
薬膳食材の組み合わせのコツ
薬膳では、食材同士の組み合わせも大切にされています。相性の良い食材を組み合わせることで、お互いの作用を引き出すことができます。
- 生姜 × ナツメ:体を温めながら気を補う定番の組み合わせ。薬膳茶やスープに
- クコの実 × 菊花:目の疲れが気になるときに。お湯を注いでお茶として飲める
- 山芋 × 小豆:気を補いながら余分な水分も排出。むくみと疲れの両方に
- 黒ごま × くるみ:腎を補い、髪や腰膝のケアに。おやつとしてもOK
- ほうれん草 × レバー:補血のゴールデンコンビ。貧血気味の方に
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季節別おすすめ薬膳食材


- 春(肝をケア):セロリ、菜の花、しじみ、柑橘類、クコの実
- 夏(心をケア):スイカ、きゅうり、トマト、緑豆、ゴーヤ
- 梅雨(脾をケア):ハトムギ、小豆、トウモロコシ、枝豆
- 秋(肺をケア):梨、レンコン、白きくらげ、はちみつ、松の実
- 冬(腎をケア):黒ごま、くるみ、羊肉、エビ、栗
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薬膳食材を使うときの注意点
- 体質に合わない食材を大量に食べ続けると逆効果になることがあります。冷え体質の方が冷やす食材ばかり食べるのは避けましょう
- 薬膳は食事療法であり、病気を治す目的のものではありません。症状がつらい場合は医療機関を受診してください
- 妊娠中の方はハトムギなど一部の食材を控えた方が良い場合があります。心配な方は医師に相談してください
- 食物アレルギーのある方は、効能に関わらずアレルゲンとなる食材は避けてください
よくある質問(Q&A)
Q. 薬膳食材は加熱して食べた方がいいですか?
基本的には加熱して食べるのが薬膳の考え方です。特に胃腸が弱い方や冷えが気になる方は、生食よりも温かい調理法(煮る・蒸す・スープにするなど)がおすすめです。ただし、体に熱がこもっている方は、涼性・寒性の食材を生で食べることもあります。
Q. 薬膳食材はどこで買えますか?
この記事で紹介した食材のほとんどはスーパーで手に入ります。クコの実やナツメ、ハトムギなどは中華食材コーナーや乾物コーナーに置いてあることが多いです。陳皮や紅花など、やや専門的な食材は漢方薬局やネット通販で購入できます。
Q. 薬膳食材は毎日同じものを食べ続けても大丈夫ですか?
同じ食材ばかりに偏ると栄養バランスが崩れるため、いろいろな食材をバランスよく取り入れるのがおすすめです。薬膳では「五味をまんべんなく摂る」ことが大切とされています。
まとめ
薬膳食材は特別なものではなく、毎日の食卓に並ぶ身近な食材がほとんどです。まずは自分の体質タイプを確認して、日々の食事に合った食材をひとつずつ取り入れてみてください。「今日はちょっと疲れたから鶏肉とナツメのスープにしよう」──そんなゆるやかな薬膳ライフが、体のバランスを整える第一歩になります。
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