カレーに使うスパイスが実は漢方の生薬としても使われていることを知っていましたか? シナモン、八角、クローブ…これらのスパイスは、薬膳の世界では体質改善を意識した料理づくりに欠かせないアイテムなのです。
この記事では、普段の料理に取り入れやすい薬膳スパイスの効能と、おすすめの使い方を紹介していきます。スーパーで手に入るものも多いので、今日からすぐに始められるはずです。
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スパイスと薬膳の深い関係


スパイスは生薬でもある
実は多くのスパイスは、漢方薬の原料である「生薬」として使われています。たとえばシナモンは「桂皮(けいひ)」、クローブは「丁子(ちょうじ)」、八角は「大茴香(だいういきょう)」という名前で漢方に登場します。
スパイスを料理に使うこと自体が、広い意味での薬膳になりうるというわけです。特別な食材を買わなくても、スパイスを意識するだけで日常の食事が養生食に近づくのです。
薬膳スパイスの基本的な考え方
薬膳では、スパイスの性質(温・涼・平)や味(辛・甘・苦など)を理解して、自分の体質に合ったものを選ぶことが大切です。多くのスパイスは「温性」で「辛味」を持ち、体を温めたり気の巡りを良くしたりする作用があるとされています。


おすすめ薬膳スパイスと効能
シナモン(桂皮):体を温める代表格
性質:温性(熱性に近い)/ 辛・甘
対応する臓腑:腎・脾・心・肝
シナモンは体を強く温めるスパイスの代表です。冷え性の人にとくにおすすめです。漢方では「桂皮」として、葛根湯や桂枝茯苓丸など多くの処方に配合されています。
おすすめの使い方:紅茶やコーヒーに振りかける/ホットミルクに入れる/りんごのコンポートに加える/カレーの隠し味に
シナモンに含まれるクマリンという成分は、大量に摂り続けると肝臓に負担がかかる可能性があります。1日の摂取量はティースプーン半分程度を目安にし、毎日大量に摂り続けるのは避けましょう。妊娠中の方も控えめにしてください。
生姜(しょうきょう/乾姜):万能の温めスパイス
性質:生の生姜(しょうきょう)は温性、乾燥させた生姜(乾姜=かんきょう)は熱性 / 辛
対応する臓腑:肺・脾・胃
生姜は薬膳でもっとも身近で使いやすいスパイスです。生の生姜は発汗・解表作用があり、風邪のひき始めに向いています。乾燥生姜はさらに温める力が強く、お腹の冷えが気になる人におすすめです。
おすすめの使い方:スープや味噌汁にすりおろして入れる/生姜湯(はちみつ+生姜+お湯)/炒め物の香りづけに/紅茶に入れてジンジャーティーに
八角(大茴香):消化を助ける星型スパイス
性質:温性 / 辛・甘
対応する臓腑:肝・腎・脾・胃
スターアニスとも呼ばれる八角は、中華料理でおなじみの独特の甘い香りを持つスパイスです。体を温め、お腹の調子を整える働きがあるとされています。
おすすめの使い方:角煮や煮豚の煮込みに/中華風スープに1個入れる/ホットワインに加える
クローブ(丁子):胃腸を温めるスパイス
性質:温性 / 辛
対応する臓腑:脾・胃・腎
クローブは強い芳香を持つスパイスで、漢方では「丁子」として知られています。胃腸を温め、消化を助けるとされており、寒い時期の料理にぴったりです。
おすすめの使い方:カレーのスパイスミックスに/チャイに加える/煮込み料理の香りづけに
山椒(さんしょう):しびれる辛さで気の巡りを
性質:温性 / 辛
対応する臓腑:脾・胃・腎
日本でもうなぎや麻婆豆腐でおなじみの山椒です。お腹を温め、気の巡りを良くするとされています。冷えからくるお腹の不調が気になる人に向いているスパイスです。
おすすめの使い方:うなぎや焼き鳥に振りかける/麻婆豆腐に/鍋物の薬味として


ターメリック(ウコン):肝をサポートする黄色いスパイス
性質:温性 / 辛・苦
対応する臓腑:肝・脾
カレーの黄色い色のもとになっているターメリックです。漢方では「鬱金(うこん)」として知られ、血の巡りや肝の働きをサポートするとされています。
おすすめの使い方:カレーに/ターメリックライス(米と一緒に炊く)/豆乳に入れてゴールデンミルクに
フェンネル(小茴香):お腹の張りが気になるときに
性質:温性 / 辛
対応する臓腑:肝・腎・脾・胃
甘い香りが特徴のフェンネルは、漢方では「小茴香(しょうういきょう)」として使われます。お腹の張りやガスが気になるときに向いているスパイスです。
おすすめの使い方:魚料理のハーブとして/サラダのトッピングに/フェンネルティーとして飲む
陳皮(ちんぴ):みかんの皮で消化促進
性質:温性 / 辛・苦
対応する臓腑:脾・肺
みかんの皮を乾燥させたもので、日本の七味唐辛子にも配合されています。気の巡りを良くし、消化を助ける働きがあるとされています。
おすすめの使い方:お茶に入れる/煮物の隠し味に/七味唐辛子として活用
体質別スパイスの選び方


冷え性の人に
シナモン、生姜、八角、クローブ、山椒がおすすめです。体を温める力が強いスパイスを積極的に取り入れましょう。
胃腸が弱い人に
生姜、フェンネル、陳皮、山椒がおすすめです。消化を助けるスパイスで、胃腸をやさしくサポートしましょう。ただし辛すぎるものは避けてください。
ストレスが溜まりやすい人に
陳皮、フェンネル、ミント(薄荷)がおすすめです。気の巡りを良くするスパイスでリフレッシュしましょう。
のぼせやすい・暑がりの人に
ミント(薄荷)がおすすめです。温性のスパイスは少量にとどめ、涼性のスパイスを中心にしましょう。シナモンや唐辛子の使いすぎは体に熱がこもりやすくなるので注意してください。
薬膳スパイスは「体質に合ったものを、適量使う」のが基本です。温性のスパイスが多いため、暑がりの人や炎症が起きやすい人は使いすぎに注意しましょう。
薬膳スパイスを取り入れるコツ
まずは1種類から始める
いきなりたくさんのスパイスを揃える必要はありません。まずは生姜やシナモンなど、手に入りやすいものを1つ選んで、普段の料理に「ちょい足し」するところから始めてみましょう。
ブレンドスパイスを活用する
市販のカレー粉やガラムマサラ、七味唐辛子などは、複数のスパイスがバランスよくブレンドされています。一つひとつ揃えるのが面倒な人は、これらを活用するのも手です。
スパイスティーで手軽に
料理に使うのが難しいときは、お茶として飲むのがもっとも簡単です。シナモンティー、ジンジャーティー、フェンネルティーなど、お湯を注ぐだけで薬膳ドリンクが完成します。


スパイスティーを自分で配合するのとは別の楽しみ方として、無料の体質診断に答えるとブレンドを提案してくれるパーソナル薬膳茶もあります。サービスの仕組みはパーソナル薬膳茶めぐりこまちの口コミ・評判で詳しく紹介しています。



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薬膳スパイスブレンドを自作してみましょう


冷え対策ブレンド
シナモン(小さじ1)+乾燥生姜パウダー(小さじ1/2)+クローブパウダー(ごく少量)を混ぜて小瓶に保存します。お湯やホットミルクに溶かすだけで、体を温める薬膳ドリンクが完成します。
消化サポートブレンド
陳皮(小さじ1)+フェンネル(小さじ1/2)+山椒(ごく少量)を混ぜたブレンドです。食後のお茶に入れると、胃もたれやお腹の張りが気になるときに活躍してくれます。


よくある質問(Q&A)
Q. 薬膳スパイスはどこで買えますか?
シナモンや生姜、ターメリックなどの基本的なスパイスはスーパーのスパイスコーナーで手に入ります。八角やクローブなどはカルディや成城石井、ネット通販で購入するのが便利です。
Q. スパイスの保存方法は?
直射日光と湿気を避けて、密閉容器で保存するのが基本です。パウダー状のスパイスは香りが飛びやすいので、できれば半年以内に使い切るのがおすすめです。ホールスパイス(粒のまま)のほうが長持ちします。
Q. 妊娠中にスパイスを使っても大丈夫?
少量の調味料としての使用は基本的に問題ないとされていますが、シナモンやクローブなど子宮収縮作用が指摘されるスパイスは大量摂取を避けましょう。心配な場合は医師に相談してください。
まとめ
薬膳スパイスは、特別な材料を揃えなくても始められる身近な養生法です。自分の体質に合ったスパイスを日常の料理に「ちょい足し」するだけで、食事が養生食に変わるのです。
まずはシナモンや生姜など手軽なものから始めて、少しずつレパートリーを増やしてみましょう。
スパイスと薬膳についてもっと知りたい人は、クラシエ(カンポフルライフ)や日本安全食料料理協会(JSFCA)のサイトでも参考になる情報が見つかります。
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