「のどの奥に何か張りついている感じがする」「鼻水がのどに流れ落ちて気持ち悪い」「いつも痰がからんでスッキリしない」。こうした症状が何か月も続いている場合、慢性上咽頭炎(まんせいじょういんとうえん)の可能性があります。
上咽頭は鼻の一番奥、のどとの境目にある場所で、ウイルスや細菌が侵入しやすく炎症を起こしやすい部位です。急性の炎症は比較的短期間で治まりますが、慢性化すると後鼻漏(こうびろう)やのどの違和感、頭痛、倦怠感など多彩な症状が長引くことがあります。
西洋医学ではBスポット療法(EAT:上咽頭擦過療法)が注目されていますが、漢方による体質改善も有効なアプローチの一つです。この記事では、慢性上咽頭炎に対する漢方的な考え方とおすすめの処方を詳しく解説します。

🐢 ナビ助のイチオシ
LINEで薬剤師に相談できるオンライン漢方薬店

- ✅ LINEで約3分の体質チェック
- ✅ 漢方選びを薬剤師に無料で相談できる
- ✅ 相談して決めた漢方を自宅にお届け
- ✅ 取り扱いは第二類・第三類医薬品
※体質チェックと相談までは無料。持病がある方・服薬中の方は医師にご相談ください
⭐おすすめ記事
漢方ウェルネスLabへようこそ!LINEで薬剤師に漢方選びを相談できるオンライン漢方薬店をご紹介しています。

慢性上咽頭炎を漢方ではどう考える?


「熱毒」|上咽頭にこもった熱と炎症
東洋医学では、慢性上咽頭炎の急性増悪期には「熱毒」が上咽頭にこもっていると考えます。のどが赤く腫れている、痛みがある、黄色い痰が出るといった場合は、この熱を冷まして解毒する処方が選ばれます。
「痰湿」|粘液の停滞と後鼻漏
後鼻漏(鼻水がのどに流れ落ちる症状)は、東洋医学では「痰湿」が上咽頭に停滞している状態として捉えます。余分な水分や粘液が適切に排出されず、のどに残ってしまう状態です。
胃腸の弱さから水分代謝が乱れ、結果として上咽頭に痰湿がたまるケースも少なくありません。
「陰虚」|粘膜の乾燥と潤い不足
炎症が長期化すると、上咽頭の粘膜が乾燥して薄くなることがあります。東洋医学では体の潤いが不足した状態を「陰虚」と呼び、のどのイガイガ感、口の渇き、空咳などの症状が現れます。
「気虚」|免疫力の低下と繰り返す炎症
体のエネルギーが不足した「気虚」の状態では、粘膜のバリア機能が弱まり、炎症が繰り返しやすくなります。風邪をひきやすい、疲れやすい方は気虚が背景にある可能性があります。
慢性上咽頭炎は「炎症を鎮めるだけ」ではなく、「なぜ炎症が慢性化しているのか」を体質面から見直すのが漢方のアプローチです。熱毒・痰湿・陰虚・気虚など、どのタイプかを見極めて処方を組み立てます。
慢性上咽頭炎によく用いられる漢方薬
荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)
慢性上咽頭炎に最もよく処方される漢方薬の一つです。上半身の慢性的な炎症を鎮め、血の巡りを改善する作用があるとされています。
もともと慢性副鼻腔炎(蓄膿症)や慢性扁桃炎に用いられてきた処方で、鼻や咽頭の粘膜炎症に幅広く対応します。皮膚が浅黒く、炎症を繰り返しやすい体質(解毒証体質)の方に適しています。
小柴胡湯加桔梗石膏(しょうさいことうかききょうせっこう)
のどの炎症を鎮める代表的な処方です。石膏がのどの熱を冷まし、桔梗がのどの腫れや痛みを和らげる方向に働きます。のどが赤い、痛い、声がかれているといった急性増悪時に用いられることが多いです。
清肺湯(せいはいとう)
粘り気のある痰が多く、後鼻漏が著しい場合に用いられます。気管支の熱を冷まし、粘膜を潤して痰を切れやすくする作用があるとされています。黄色い痰が出る、咳が長引くといった症状がある方に適しています。
柴胡清肝湯(さいこせいかんとう)
お子さんの慢性上咽頭炎に用いられることが多い処方です。体質改善の処方として位置づけられ、炎症を繰り返しやすい虚弱体質のお子さんに長期的に使われます。大人の慢性炎症には荊芥連翹湯が選ばれることが多いです。
補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
気虚が背景にあり、免疫力の低下から慢性上咽頭炎が繰り返している方に用いられます。直接的に炎症を鎮める処方ではありませんが、体全体のエネルギーを底上げして、粘膜のバリア機能を回復させる方向に働きます。
麦門冬湯(ばくもんどうとう)
のどの乾燥感が強い「陰虚」タイプの慢性上咽頭炎に用いられます。粘膜を潤して乾いた咳や声がれを和らげる作用があるとされています。水っぽい痰ではなく、「のどが乾く割に痰がからむ」という独特の症状に適しています。


体質別の漢方の選び方
後鼻漏・黄色い痰が多いタイプ(痰湿・熱)
鼻水がのどに流れ落ちる後鼻漏が中心の方は、荊芥連翹湯で慢性炎症にアプローチするのが基本です。黄色い粘り気のある痰が多い場合は清肺湯が検討されます。
のどの乾燥感・空咳が目立つタイプ(陰虚)
のどが乾いてイガイガする、空咳が出る、痰が少ないという方は麦門冬湯で粘膜を潤すアプローチが適しています。
のどの痛み・腫れが強いタイプ(熱毒)
のどが赤く腫れて痛い場合は小柴胡湯加桔梗石膏で炎症を鎮めます。急性増悪時の対処としても有効です。
風邪をひきやすい・疲れやすいタイプ(気虚)
炎症そのものだけでなく、繰り返す原因に気虚がある場合は補中益気湯で免疫力を底上げします。炎症が落ち着いた後の再発予防として使われることもあります。
慢性上咽頭炎は、IgA腎症や掌蹠膿疱症、関節炎など全身の病気と関連する場合があることが指摘されています。症状が長引く場合は、まず耳鼻咽喉科を受診して正確な診断を受けてください。
日常生活での養生ポイント


鼻うがい(鼻洗浄)を習慣にする
生理食塩水を使った鼻うがいは、上咽頭の炎症物質を洗い流す効果が期待できます。市販の鼻洗浄キットを使えば自宅で手軽に実践できます。痛みが強い場合は無理に行わないでください。
乾燥を避ける
上咽頭の粘膜は乾燥に弱いため、加湿器の使用やマスクの着用が有効です。特に冬場やエアコンの効いた室内では意識的に湿度を保ちましょう。
口呼吸をやめる
口呼吸は上咽頭の乾燥を招き、炎症を悪化させます。鼻呼吸を意識的に行い、就寝時に口が開いてしまう場合は口閉じテープの使用も検討してください。
胃腸を整える食事を心がける
東洋医学では「脾(胃腸)は痰の源」とされ、胃腸の機能が低下すると痰湿が増えやすくなります。温かくて消化の良い食事を心がけ、冷たいもの・脂っこいものの摂りすぎを控えましょう。
「脾」をいたわる温かい献立や、季節に合わせた食材の選び方を東洋医学の視点から学んでみたい方には、薬膳の考え方をオンラインで学べる「養生薬膳資格取得講座」という選択肢もあります。自宅で自分のペースで受講でき、毎日の食事づくりに食養生の知識を取り入れたい方にも検討しやすい講座です。





⭐おすすめ記事
自分に合う漢方選びを薬剤師に相談したい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。



慢性上咽頭炎と関連する全身症状
慢性上咽頭炎は、のどや鼻の症状だけでなく全身にさまざまな影響を及ぼすことがあります。頭痛、肩こり、倦怠感、微熱、集中力の低下など、一見関係なさそうな症状が上咽頭の炎症と結びついているケースは少なくありません。
東洋医学では、上咽頭は「気の通り道」の要所にあたるとされ、ここが炎症で塞がれると全身の気の流れに影響が出ると考えます。そのため、漢方治療では上咽頭の炎症だけでなく、全身の気の巡りや免疫バランスを整えるアプローチが重視されます。
特に慢性上咽頭炎がIgA腎症との関連を指摘されることもあり、尿検査で蛋白や血尿が見つかった方は腎臓内科での精査も検討してください。
よくある質問
Q. 慢性上咽頭炎に漢方薬はどのくらいで変化を感じますか?
個人差がありますが、2〜3か月を目安に経過を見ることが一般的です。慢性の炎症は根が深いため、長期的な服用が必要になるケースもあります。
Q. Bスポット療法(EAT)と漢方の併用はできますか?
Bスポット療法と漢方薬を併用しているケースは多くあります。Bスポット療法で直接的に炎症を鎮めつつ、漢方で体質改善を行うアプローチは相性が良いとされています。
Q. 後鼻漏がひどいのですが、漢方で良くなりますか?
後鼻漏の原因が慢性上咽頭炎にある場合、漢方で痰湿を取り除くアプローチが有効なことがあります。ただし、慢性副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎が原因の場合は、それぞれに合った治療が必要です。
Q. 慢性上咽頭炎は自分で診断できますか?
自分で上咽頭の状態を確認することは困難です。内視鏡(ファイバースコープ)を使った耳鼻咽喉科での検査が必要です。のどの違和感や後鼻漏が続く場合は、「慢性上咽頭炎の可能性があるので上咽頭を診てほしい」と具体的に伝えると、スムーズに検査してもらえます。
漢方薬の飲み方と注意点


慢性上咽頭炎に漢方薬を取り入れる場合、のどの調子が悪い時は粉薬を飲みにくいことがあります。温かいお湯に溶かしてゆっくり飲む方法は、のどの粘膜を温めながら成分を届けられるためおすすめです。
また、複数の漢方薬を併用する場合は甘草の含有量に注意が必要です。甘草は多くの漢方薬に含まれており、複数の処方を重ねると甘草の摂取量が過剰になり、偽アルドステロン症(むくみ、血圧上昇など)のリスクが出てきます。必ず医師や薬剤師に飲み合わせを確認してもらいましょう。
まとめ
慢性上咽頭炎は、後鼻漏、のどの違和感、頭痛、倦怠感など多彩な症状を引き起こす厄介な病気です。漢方では荊芥連翹湯、清肺湯、麦門冬湯などを体質に合わせて選び、炎症と体質の両面からアプローチします。
鼻うがい、乾燥対策、口呼吸の改善、胃腸を整える食事など、日常の養生と漢方を組み合わせることで、より良い方向に向かいやすくなります。
漢方は長期的な体質改善に向いたアプローチです。西洋医学の治療(Bスポット療法、点鼻薬など)と漢方を賢く組み合わせて、慢性上咽頭炎とうまく付き合っていきましょう。気になる方は、耳鼻咽喉科での診断を受けたうえで、漢方に詳しい医師に相談してみてください。
参考リンク:
慢性上咽頭炎|太陽堂
慢性上咽頭炎と漢方薬|福神トシモリ薬局
上咽頭炎と漢方について|後楽堂薬局
⭐おすすめ記事
最後までお読みいただきありがとうございます。漢方選びを気軽に相談できるサービスを探している方は、こちらの記事もぜひご覧ください。



🐢 ナビ助のイチオシ
LINEで薬剤師に相談できるオンライン漢方薬店

- ✅ LINEで約3分の体質チェック
- ✅ 漢方選びを薬剤師に無料で相談できる
- ✅ 相談して決めた漢方を自宅にお届け
- ✅ 取り扱いは第二類・第三類医薬品
※体質チェックと相談までは無料。持病がある方・服薬中の方は医師にご相談ください


