みかんを食べた後、皮を捨てていませんか?実はその皮、乾燥させると「陳皮(ちんぴ)」という立派な漢方の生薬になります。家庭で簡単に作れる生薬として昔から重宝されてきました。
陳皮とは

みかんの皮を乾燥・熟成させたもの
陳皮はみかん(温州みかん)の皮を天日干しにして乾燥させ、1年以上熟成させたものです。「陳」は「古い」という意味で、古ければ古いほど薬効が高くなると言われています。中国では100年物の陳皮が超高額で取引されることもあります。
七味唐辛子にも入ってる身近な存在
実は七味唐辛子の材料の一つが陳皮です。知らず知らずのうちに食べている方も多いはずです。農林水産省の食品情報でもスパイスとして紹介されています。

陳皮の漢方的な効能
理気(りき):気の巡りを整える
気が滞ると、お腹が張る、ゲップが出る、胸がつかえる、イライラするなどの症状が出ます。陳皮はこの「気の滞り」を解消する代表的な生薬です。ストレスで胃が重い時にも効果的です。
健脾(けんぴ):消化機能を強化
脾(消化器系)の働きを良くして、食欲不振や消化不良を改善します。食べすぎた後の胃もたれにも使われます。陳皮に含まれるリモネンやヘスペリジンが消化を助けてくれます。
化痰(かたん):痰を取り除く
痰が絡む咳や、胸のつかえ、吐き気に効きます。漢方では「痰」は呼吸器の痰だけでなく、体内の余分な老廃物全般を指します。陳皮は体の中の「汚れ」を掃除してくれるイメージです。
自宅で陳皮を作る方法

材料と作り方
材料:みかんの皮(無農薬が理想です。農薬が気になる場合はよく洗いましょう)
手順:
1. みかんの皮をよく洗い、白い筋はそのままでOK
2. キッチンペーパーで水気を拭き取る
3. ザルに広げて天日で3〜5日干す(室内なら1週間)
4. カラカラに乾いたら密閉容器で保存
5. 1年以上寝かせると「陳皮」に
作りたての乾燥皮でも効果はありますが、熟成させた方が香りも薬効もアップします。

陳皮の活用法

陳皮茶
乾燥した陳皮を小さくちぎって、お湯を注いで5分蒸らします。柑橘の爽やかな香りでリラックスできます。はちみつを加えるとさらに飲みやすくなります。
料理の風味付け
煮物、スープ、炒め物に刻んで加えます。豚の角煮に陳皮を入れると臭みが消えて風味がアップします。中華料理では定番の隠し味です。
入浴剤として
陳皮をお茶パックに入れてお風呂に浮かべます。柑橘の香りでリラックスしながら、血行促進効果で体がぽかぽかになります。冬至のゆず湯と同じ発想です。
粉末にして常備
乾燥した陳皮をミルで粉末にしておくと、お茶や料理にさっと使えて便利です。ヨーグルトにかけたり、スムージーに混ぜたりもできます。
陳皮を使った漢方薬
・二陳湯(にちんとう):痰が多い、吐き気、胃もたれに
・六君子湯:食欲不振、胃もたれに(陳皮が重要な構成生薬)
・補中益気湯:慢性疲労に
・抑肝散加陳皮半夏:イライラ+胃腸の弱さに
陳皮を含む市販の漢方薬を選ぶときや、いま飲んでいる薬との重複が気になるときの相談先として、PharmaX株式会社が運営するパーソナル漢方薬店「YOJO」があります。LINEで友だち追加して約3分の体質チェックに答えると、漢方に詳しい薬剤師に無料で相談できます。ほかの薬やサプリとの飲み合わせもメッセージで無料相談でき、料金は公式サイトで確認できます。持病のある方・服薬中の方・妊娠中や授乳中の方は、事前に医師や薬剤師にご相談ください。

注意点
・農薬が気になる場合は無農薬みかんを使う
・大量摂取で胃酸過多になることがある
・厚生労働省の食品安全情報も参考に
・輸入品の陳皮は品質にばらつきがあるので注意
よくある質問
Q. ゆずやレモンの皮でも代用できる?
厳密には「陳皮」はみかん(柑橘類)の皮ですが、ゆずの皮にも似た効能があります。ただし漢方薬としての陳皮は温州みかんが基本です。
Q. 陳皮は何年くらい保存できる?
適切に保存すれば5年、10年と持ちます。むしろ長期保存した方が薬効が高まるとされています。湿気を避けて冷暗所で保管しましょう。
Q. 市販の陳皮はどこで買える?
漢方薬局、中華食材店、Amazon・楽天で購入可能です。スパイス専門店にも置いてあります。
Q. 自作陳皮はどのくらい乾燥させればいい?
風通しの良い日陰で1~2週間干してカリカリになればOKです。天日干しでも良いですが、直射日光に長時間当てると変色することがあります。しっかり乾燥していれば長期保存が可能です。
Q. 陳皮と漢方薬を一緒に摂っても問題ない?
基本的には問題ありません。陳皮自体が多くの漢方薬に配合されている生薬だからです。ただし、処方薬に陳皮が含まれている場合は重複摂取になるため、薬剤師に確認しておくと安心です。
Q. 陳皮は料理に入れた後食べた方がいい?
食べても食べなくてもOKです。煮込み料理で味と成分がスープに溶け出しているため、食べなくても効果は得られます。ただし細かく刻んだ陳皮はそのまま食べても香りが良いので、好みで選んでください。


陳皮活用でよくある失敗パターン
失敗1:農薬が付いたまま乾燥させてしまう
スーパーで買ったみかんには農薬やワックスが付いていることがあります。これを洗わずにそのまま天日干しして陳皮にしてしまう方がいますが、これは大きな失敗です。陳皮は長期間保存して使うものなので、農薬が濃縮されてしまう可能性があります。無農薬みかんを使うのが理想ですが、一般的なみかんでも重曹水に10分浸けてからよくこすり洗いすれば、かなり農薬を落とせます。自作陳皮を安全に楽しむためには、この「洗い」の工程を絶対に省かないようにしましょう。
失敗2:乾燥が不十分でカビが生える
天日干しが足りない状態で密閉容器に入れてしまうと、数日でカビが生えてきます。特に梅雨時期や湿気の多い季節は要注意です。カラカラに乾くまでしっかり干すのが鉄則で、指で折った時にパキッと折れるくらいまで乾燥させるのが目安です。干している途中で雨に濡れてしまったら、最初からやり直した方が安全です。電子レンジで軽く加熱してから干すと乾燥が早まりますが、加熱しすぎると香りが飛んでしまうので注意してください。
失敗3:作りたての乾燥皮を「陳皮」だと思って大量に使う
作りたての乾燥みかんの皮は厳密にはまだ「陳皮」ではありません。「陳」は「古い」を意味するため、最低でも1年は寝かせないと本来の陳皮にはなりません。作りたての乾燥皮でも香りや効能はありますが、本物の陳皮とは風味が全然違います。作りたてを大量に料理に入れると苦味が強く出ることもあります。まずは少量から試して、熟成が進むにつれて量を調整していくのが上手な使い方です。


陳皮に関するQ&A
Q. 陳皮はどんなお茶と合わせると美味しい?
プーアル茶との組み合わせが定番で、中国では「陳皮プーアル茶」として市販されているくらい相性が良いです。他にも紅茶に入れるとアールグレイ風の柑橘フレーバーになりますし、緑茶に浮かべてもさっぱり美味しいです。はちみつと一緒に飲むと甘みと酸味のバランスが絶妙で、リラックスティーとしてもおすすめです。
Q. 陳皮の保存方法で気をつけることは?
湿気が大敵なので、完全に乾燥した状態で密閉容器に入れ、冷暗所で保存するのが基本です。シリカゲル(乾燥剤)を一緒に入れておくと安心です。定期的にフタを開けて風を通してあげるのも大事です。うまく保存すれば5年、10年と長期保存できますし、むしろ熟成が進んで薬効も香りもアップします。
Q. みかん以外の柑橘類の皮でも同じ効果がある?
ゆずの皮にも似た効能はありますが、漢方の「陳皮」は基本的に温州みかんの皮のことです。グレープフルーツやオレンジの皮は成分が異なるため代用にはなりません。ゆずの皮は「橘皮(きっぴ)」として別の生薬扱いになります。効能が欲しいなら、やはり温州みかんの皮を使うのが正解です。
Q. 陳皮を毎日摂っても副作用はない?
お茶として1日1〜2杯飲む程度なら副作用の心配はほとんどありません。ただし胃酸過多の方は陳皮の刺激で胃が荒れることがあるため、空腹時の大量摂取は避けた方がよいでしょう。また、処方薬に陳皮が含まれている場合は重複摂取になるため、薬剤師に確認しておくと安心です。
Q. 陳皮は漢方薬局で買うのとネット通販で買うのとどっちがいい?
品質を重視するなら漢方薬局がおすすめです。実際に見て香りを確認できますし、産地や熟成年数も教えてもらえます。ネット通販は手軽ですが、品質にバラつきがあるため、信頼できるショップを選ぶことが大事です。レビューをよく確認して、できれば国産や有名産地のものを選びましょう。





